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土佐赤岡絵金祭り
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  • 祭りの歴史

  • 土佐赤岡絵金祭りは、昭和52年、赤岡吉川地区商工会(現・香南市商工会)青年部が商店街の発展を願ってはじめました。もともと赤岡の北部、須留田八幡宮で行われていた神祭りにならい、幕末より町に伝わる絵師金蔵・通称絵金の芝居絵屏風を商店街に並べながら、ビアガーデンや屋台、コンサートなど、さまざまな催しを行っています。現在、土佐赤岡絵金祭り運営を担うのは、屏風絵屏風の所蔵家や商店主、商工会や絵金蔵、弁天座等団体で構成する土佐赤岡絵金祭り実行委員会。毎年、出し物の内容や販売品について、議論を重ねながら運営にあたっています。また商店はじめ多くの地域企業、団体や個人の方からの寄付によって支えられています。
    赤岡町に伝わる絵金の芝居絵屏風23点は、平成21年、高知県保護有形文化財に指定されました。近年絵金祭りでもグッズの制作・販売などを通じ、作品を守る取り組みにも力を入れています。これからも皆さまに愛される祭礼文化となるよう、地域で育んでまいります。
  • えきん

    絵金

  • 絵師・金蔵、通称「絵金」(1812~1876)は、江戸末期、高知城下に生まれました。
    生まれつき絵の才能に恵まれた金蔵は、文人画家・仁尾鱗江に手習いしたのち、土佐藩御用絵師・池添美雅に師事して腕をあげました。18歳の時、師 美雅の推薦により藩主息女・徳姫の駕籠かきの名目で江戸にのぼります。そこで藩邸御用絵師の前村洞和に狩野派を学び、3年後に洞意の号を与えられました。
    土佐に戻った金蔵は、家老桐間家の御用絵師・林洞意として腕をふるいましたが、狩野探幽の贋作を描いた疑いをかけられ、御用絵師の職を解かれます。それから約10年の間、彼がどこで何をしていたかは、今でも謎のままなのです。
    やがて凧絵や幟、絵馬など庶民の注文に応じて絵を描く町絵師として活躍するよう
    になった金蔵が、おばを頼って滞在したといわれる赤岡には、彼の芝居絵屏風の
    代表的作品が高知県内で最も多く伝えられています。65歳で波乱の生涯を終えた
    絵金は、妻 初菊と共に、高知市薊野・真宗寺山のお墓に眠っています。
絵金の絵
須留田八幡宮
  • 絵金祭りのルーツ


    須留田
    八幡宮神祭

  • 町の北部に位置する須留田八幡宮。
    土佐赤岡絵金祭りに飾る23点の芝居絵屏風のうち、18点は本町筋の氏子より、この神社に奉納された作品です。
    赤岡では伝統的にこの須留田八幡宮の夏の祭礼(7月14・15日)の夜、神社から約1.5km程離れた氏子の商家の軒先に、芝居絵屏風を点々と並べます。絵金祭りが“動”とするなら、こちらは“静”の祭り。にぎやかなイベントや夜店はありませんが、絵をじっくり見たい方にはこちらがおすすめ。神祭の夜は、現在も暗闇にほのかに浮かび上がる、幕末当時さながらの幻想的な光景を見ることができます。
  • 須留田八幡宮神祭のイメージ1
  • 須留田八幡宮神祭のイメージ2
  • 須留田八幡宮神祭のイメージ3
須留田八幡宮神祭のマップ

須留田八幡宮神祭

  • 【主催】

  • 本町1区・本町2区の須留田八幡宮氏子
  • 【開催日時】

  • 毎年7月14・15日 午後7時から午後9時まで
  • 【芝居絵屏風展示場所】

  • 赤岡町本町商店街
  • 【芝居絵屏風展示点数】

  • 原則18点展示 ※ただし、作品保護、修理等の理由で、展示できない場合がございます
  • 【駐車場】

  • 台数に限りがございます。できる限り公共交通機関のご利用をおねがいいたします。
    香南市商工会館駐車場または赤岡小学校南駐車場をご利用ください。

※所蔵家である氏氏により芝居絵屏風の展示が行われます。境内でも作品が展示されていますが、そちらはレプリカです。

夜店などの出店はありません。


※ご不明な点は 絵金蔵 までお問合せください。

しばいえびょうぶ

芝居絵屏風

芝居絵屏風

歌舞伎や浄瑠璃のクライマックスを、二つ折りの屏風に描いた土佐独特の形式。幕末から昭和にかけて、神社やお堂の夏祭りのため氏子たちが絵金やその弟子たちに競い合って注文しその屏風を奉納することが大流行しました。

その芝居絵屏風の代表的な作品が数多く残る赤岡は、かつて香南の商都として大変栄えた町でした。一年分の米代にも当たると言われた高価な屏風絵は、この赤岡の豪商たちがいわばパトロンとなって描かせたものと考えられます。

赤岡のみならず、高知県沿岸部を中心に約10カ所で今も芝居絵屏風を飾る夏祭りが行われ、現在は出されなくなった作品を含めると200点以上の芝居屏風絵が伝えられています。

  • 郡頭神社(高知市鴨部)
  • 郡頭神社(高知市鴨部)

  • 朝倉神社(高知市朝倉)
  • 朝倉神社(高知市朝倉)

  • 河伯神社(南国市稲生)
  • 河伯神社(南国市稲生)

赤岡町に伝わる
絵金の芝居絵屏風23点

この芝居絵屏風に注目!

  • 播州皿屋敷 鉄山下屋敷
  • この芝居絵屏風に注目!

    播州皿屋敷 鉄山下屋敷
    (ばんしゅうさらやしき てつざんしもやしき)

     「喧嘩はやめて!」と言わんばかりに二人を制している父親を挟み、敵対する人間を右面、左面に配置して関係性を示唆する手法は他の作品でも見られます。屏風という中央で折れる構造の絵画らしい演出ではないでしょうか。
     また細部に注目すると、左上の方には戦の開始をしらせる烽火(狼煙)が。そしてそんな中でも動物が本能のまま「我関せず」の姿を描くことで、人間世界の醜い争いを皮肉っています。こういったところに、絵金らしさが出ていると言えます。

    • 毎日1点ずつ、ご紹介します!明日もお楽しみに。
  • 芝居絵屏風をクリックすると、解説が表示されます。

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  • 浮世柄比翼稲妻 鈴ヶ森
  • 鎌倉三代記 三浦別れ
  • 蘆屋道満大内鑑 葛の葉子別れ
  • 勢州阿漕浦 平次住家
  • 源平布引滝 松波検校琵琶の段
  • 花上野誉石碑 志度寺
  • 花衣いろは縁起 鷲の段
  • 菅原伝授手習鑑 寺子屋
  • 伊達競阿国戯場 累
  • 木下蔭挟間合戦 石川五右衛門
  • 伽羅先代萩 御殿
  • 蝶花形名歌島台 小坂部館
  • 東山桜荘子 佐倉宗吾子別れ
  • 菅原伝授手習鑑 寺子屋(よだれくり)
  • 播州皿屋敷 鉄山下屋敷
  • 楠昔噺 徳太夫住家
  • 競伊勢物語 春日野小芳住家
  • 忠臣二度目清書 寺岡切腹
  • 義経千本桜 鮓屋
  • 蝶花形名歌島台 小坂部館
  • 八百屋お七歌祭文 吉祥寺
  • 東山桜荘子 佐倉宗吾子別れ
  • 伊賀越道中双六 岡崎

絵金祭りの時に見ることのできる
その他の作品紹介

  • 絵馬提灯「義経千本桜」

  • 絵馬提灯

    絵馬提灯は、長方形の箱型に蝋燭をともし、和紙面に描かれた画面を観る、絵馬を発展させたもので、神社の宵祭りを彩り参道を照らす明かり取りともなり、行燈画とも呼ばれます。絵金祭りの際、横町の通りでご覧いただくことができる作品です。

  • 白描

    白描とは、線または淡彩で描かれた絵画。下絵や粉本、素描などを指します。
    絵金蔵が毎年7月頃に開催している「白描展」で見ることができ、その滑らかで美しい墨線からは絵金の画力の高さがうかがえ、一見淡白にも思える画面は、迫力ある芝居絵屏風とは異なる新たな絵金の魅力を見る者に伝えてくれます。

  • 「梅に雀」

芝居絵屏風を守る人々
土佐赤岡絵金屏風保存会

赤岡に残された芝居絵屏風は、奉納された頃より代々、所蔵家宅に保管されていましたが、高齢化が進むなかでより安全な保管場所が求められるようになり、平成17年2月、収蔵庫をそなえた美術館・絵金蔵が完成しました。以後、芝居絵屏風がこの絵金蔵に保管され、夏祭りの夜には町内四地区と個人からなる所蔵家のもとに、年一度の里帰りをするのが恒例となっています。
現代の所蔵家たちも、商いをしながら屏風を活かし、守り、後世に伝えていく活動を続けています。

是非知ってほしい!
「芝居絵屏風の修理」について

一見良好な状態に思える赤岡の芝居絵屏風ですが、実際に描かれたのは160年ほど前のこと。実際は経年劣化が着々と進み、非常に危険な状態です。

持ち主たち・赤岡絵金屏風保存会は「大切な宝物を後世へ残したい」と修理の実現を目指し地道に活動を続け、ついに2019年4月から本格的な保存修理を実施できることになりました。

  • 修理前
    修理前

    画面の中央が織り込まれすぎており、蝋燭の煙などで全体が汚れている。

  • 矢印
  • 修理後
    修理後

    織り込んだ部分が元に戻り、蝋の汚れが除去され、縁の裂は新しくなった。

赤岡に残る23隻のうち、既に修理が終わっている5隻を除いた18隻を数年間にわたって修理していくという修理事業は順調に進み、2019年度に修理が完了した4隻は2020年4月から全国3館を巡回する展覧会「奇才 江戸絵画の冒険者たち(主催:読売新聞社、開催3館)」で展示。

沢山の方々のご理解とご協力で進められている修理は、祭りで町に芝居絵屏風を並べるという絵金文化を守り伝えていくことへと繋がります。

今回は赤岡に残る芝居絵屏風を対象としたものではありますが、県内各地に残る絵金やその弟子らによる作品は大切に保管され、地元の祭りに展示される等、脈々と受け継がれています。今すぐこれら全てに対して求められる修理を行うことは難しいかもしれませんが、今回の事業をきっかけに文化財の在り方を改めて考え、できることを少しずつ進めるための足掛かりとなることを願っています。

絵金蔵スタッフ

修理技術者の解体修理を公開!
丁寧なお仕事を一部ご紹介

    • 調査
    • 調査

      修理作業に取り掛かる前の状態調査を行います。

    • 下矢印
    • 解体
    • 解体

      本誌を下地から
      取り外します。

    • 下矢印
    • 裏打紙除去
    • 裏打紙除去

      古くなった裏打紙を
      取り除きます。

    • 下矢印
    • 補修
    • 湿式クリーニング

      画面に付着している
      汚れ等を取り除きます。

    • 下矢印
    • 解体
    • 補修

      欠損している箇所を
      繕います。

    • 下矢印
    • 裏打
    • 裏打

      新しい裏打紙を
      貼り付けます。

    • 下矢印
    • 補彩
    • 補彩

      新たに繕った補修紙に
      対し周辺部と調和する
      程度に着彩します。

    • 下矢印
    • 下貼り
    • 下貼り

      新しい下地を取り付けます。

      裏表合計16層
    • 下矢印
    • 仕上げ
    • 仕上げ

      装飾を取り付けて
      屏風装に仕上げます。

    • ワンポイント
    • ★ワンポイント★

      剝落止め

      様々な工程に画面が耐えられるように
      要所で、絵具層が剥離している箇所に
      膠水溶液を塗り、接着させます。

  • 修理前
    修理前
  • 矢印
  • 修理後
    修理後

中央の折り込み部分が本来の形に戻ったことで、
図様のズレが解消され、醜女累の顔や与左衛門の足の面積が増えた!

  • ◎修理事業は以下の財団の助成を受けています。

  • ・公益財団法人 朝日新聞文化財団
  • ・公益財団法人 出光文化福祉財団
  • ・公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団
旧赤岡町の土佐芝居絵屏風保存修理事業へのご寄付について
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